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香港で働く:豊永 奈帆子さん(インターネット広告)




香港で働く!豊永 奈帆子さん



豊永 奈帆子さん  1989年2月7日生まれ、千葉県出身
(カナダ系デジタルマーケティング会社のneverblue香港支社に2013年1月より勤務)




香港は『転職が当たり前』。
『ひとつの会社に自分の一生を捧げる』という
価値観が変わりました



 「やりたいことは、早くやる」精神が大事だと、25歳になったばかりの豊永 奈帆子さんはいう。大学時代の北京留学を経て、新卒で日本のモバイル広告企業に就職した3か月後に台湾へ赴任。その後、「海外の企業で、日本人が自分だけという環境に身を置きたい」と考えて、香港にあるカナダ企業に転職した。その姿や言葉からは、キャリア一辺倒というよりも、仕事も人生も大いに楽しみたいという意思が伝わってくる。


社内で日本人は自分だけ。
実績重視の外資系でプレッシャーと戦う



 豊永さんの働いている香港地区は、日本人にも人気の高い観光地であり、アジア経済の中心地でもある。でも彼女は、(香港を勤務先として選んだことについて)「自分の求めている条件が合致しただけ」だという。

「香港を選んだというよりは、海外で、かつ外資系の企業で働けるということを重視しました。他のアジアの国にくらべて収入面が良かったことも理由の一つです。ただ、香港では仕事に使うのは英語、日常生活は広東語。北京と台湾の経験で身につけた北京語を使えると思っていたのですが……。それが少し残念ですね(笑)」

 豊永さんは、カナダに本社があるインターネット広告会社で、アジアの営業を担当している。社内で日本人は彼女一人。日本語のクライアントへの対応や日本語が求められるフィードバックはすべて彼女の判断に任せられる。また、現在は東南アジアの国も担当。今も勉強の日々が続いている。

「外資系なので、研修もあまりないままいきなりクライアントを任されて、働きながら覚えるという形です。それに、とにかく実績重視なのでプレッシャーは相当あります」  もっとも、外資系ならではの企業文化を楽しめるだけの余裕もある。季節行事の違いや、同僚と敬語なしにフラットにつきあえる風通しのよさ。特に香港女性のキャリア志向の強さには大いに共感することも多いようだ。

「香港では家庭を持っても、子どもがいても、仕事を続けるのは当たり前。圧倒的に自立しているんです。だから『転職が当たり前』で、日本で描いていた『ひとつの会社に自分の一生を捧げる』という価値観が変わりましたね」


(写真)同僚との写真。


プライベートもめいいっぱい楽しめる香港ライフ


 仕事を精力的にこなす一方で、生活もじゅうぶん謳歌しているそうだ。

「香港は、活気にあふれたパワーをもらえる街。日本だと、ショッピングのイメージが強いですが、実際住んでみると、世界各国の食べ物が楽しめるところや、海や山へも1時間で行けて、アウトドアが楽しめるところも大きな魅力のひとつです」

地元の友人、香港地区に住む外国人、華僑など、それぞれのグループの友人と、毎週のように食事や交流会、アートイベントなどを楽しんでおり、不満といえば家賃が高いことくらいだという。

「週末は友達とハイキングやBBQをしたり、サイクリングやビーチに出かけたり。中国大陸へも旅行していて、中国人の家庭にホームステイをさせてもらったりもしていますよ」  そんなふうに生活も満喫している豊永さん。アジアの中でも香港地区は、日本と環境が近いほうなので、初めての海外就職には向いていると薦める。そして、香港地区を通過点にして、10年後の自分の姿も描きはじめている。

「大学生の時にヨーロッパを一周したのですが、仕事よりもプライベートを優先させる人が多いことに刺激を受けたんです。私は海外生活が好きなので、アジアだけでなく、ヨーロッパや南米など、いろんな国で働きながら住んでみたい。だから、自分の力で、パソコン1台でビジネスができる人材になるのを目標にしています」

 夢は世界へ。海外転職を考えるならば、今すぐ一歩踏み出した方がいいと、豊永さんは最後にも念を押した。

(写真:左)会社の誕生日会写真。(写真:右)プライベートの写真。



香港転職の基礎知識!

香港の最新情報について、RGF HR Agent Hongkongのコンサルタント、高山さんにお話を聞きました。

 (1)香港ではどんな募集が多いのでしょうか?
 日系企業担当の営業ポジションが多いですね。例えば、コピー複合機や不動産、ITシステム、会計/コンサルティングの日系企業担当営業の募集があります。製造業や商社は電子部品系が多く、やはり日系企業向けの営業担当、また購買担当、総務・会計などの募集があります。
 また金融専門職が多いのも特徴です。外資系金融会社の日本株担当、日本人向けのプライベートバンク、その他IFAと呼ばれる投資商品仲介業の日本人担当コーディネーターやアシスタント職の募集もよくありますね。反対に香港は工業生産がほとんどゼロに近いため、生産関連の仕事は少なくなっています。

 (2)香港の日本人現地採用の給与水準は?
 はじめて香港にいらっしゃる方は未経験の職種に就くケースが多いので、その場合は17,000~20,000HKD/月が相場です。営業やコーディネーターなどは、同業界や同職種で経験があると、20,000~30,000HKD/月になります。
金融専門職の場合は、ミドルやバックオフィス職で25,000~50,000HKD/月、フロントオフィス職は50,000HKD/月以上が一般的です。ちなみに香港人の一般的な大学新卒初任給は、11,000~12,000HKD/月(金融/コンサル業界を除く)です。

   (3)日本人が就労ビザを取得するために、何か条件はありますか?
 エグゼクティブである必要はありませんが、専門的な経験やスキルを持ち、相応のポジションに就くことが要求されます。寿司職人や美容師、ネイリストなどの専門職以外の事務職に関しては、四年制大学卒業がほぼ必須となっています。
また香港では、日本もしくは各先進国で最低2~3年以上の業務経験があり、かつそれと近しい業界/職種に就くことが求められます。ビザ申請の際は会社内でのポジションなども重要になるため、マネージャーなどのタイトルがないと拒否されるリスクが高くなります。

 (4)家賃は世界最高クラスと聞きますが、相場はどれくらいですか?
 家賃は間違いなく世界最高クラスに高く、東京の山手線内側と同じくらいだとお考えください。特に家族世帯向けの住宅が高く、特に高級住宅街でなくても2LDKで15,000~20,000HKD/月程度です。しかも2LDKとはいえ、多くが30~40平米程度しかなく、とても狭く感じるかもしれません。
一方、いわゆるワンルームマンションは都心の駅近辺にあり、5,000~8,000HKD程度です。また、中国との国境付近まで行くと、4,000HKD代でも多少広いところがあり、都心へのアクセスも1時間程度です。

 (5)家賃以外の物価は日本と比べると高いのでしょうか?
 物価は基本的に日本と同じくらいだとお考えください。ただし通信費(携帯代)は安く、300HKDでほぼ通話し放題です。インターネットもADSLもしくは光回線が200HKD程度で無制限に使用できます。
光熱費は日本と同様、輸入に頼っているため少し割高です。外食費に関しては、日本食や洋食などオシャレなデートスポットは日本よりも少し割高ですが、ローカルの定食屋は安く、一食35~50HKDで中華定食やラーメンなどが食べられます。 また、チャンチャーテイという洋食/中華、なんでもざっくばらんに提供する喫茶があり、こちらも一食50HKD以下です。香港人では独身の人や若い夫婦は家で料理をせず、ほとんど毎日を外食で済ませる人が多いようですね。

 (6)医療設備に不安はないですか?
 医療設備や技術は、日本と同等です。参考までに、香港の平均寿命は日本に次いで世界2位です。公立病院と私立病院があり、どちらも技術レベルは同じですが、地元の富裕層や外国人は私立病院に行く方が多いようです。私立病院は大変高額ですが、多くの企業では医療保険を補助してくれるため、医療費の負担はあまり心配ないでしょう。

 (7)香港地区は中国の一部ですが、Youtube、twitter、Facebookなどは閲覧できますか?
 いずれも日本と同様、まったく問題なく閲覧できます。特にFacebookの登録者数は多く、ほぼ全ての若い香港人がFacebookのアカウントを持っています。

(RGF HR Agent HongKong 高山さん)


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