国民の平均年齢28歳弱!着実に成長するベトナム経済!
2013年日本の経済成長率は1.5%。それに対して東アジア諸国の平均は6.9%(2014/10/7世界銀行調べ)。その中でベトナムは2000年~2010年の平均成長率が7%を超え、2014年は5.5%と予想されています。人口は約9,000万人で世界13位、アジアでは8位に位置します。この右肩上がりの経済成長率に加え、国民の平均年齢が28歳弱ということもあり、安価な労働力としての市場から「成長する消費市場」に移行しつつあります。
ベトナムに進出する日系企業も年々増加しており、日本商工会への加入企業数はホーチミンで約700社、ハノイで約600社、その他地域で約100社と合計1,500社程度にまで増加してきました。製造工場や商社などのBtoB企業、サービス業企業はもちろん、オフショア開発拠点を置いているIT企業も多く、人件費高騰などの課題はあるものの、まだまだオフショア相手国として重要な選択肢のひとつです。
ベトナムには約1万5千人の日本人が住んでおり、今年ホーチミンの空港近くにはイオンがオープンしました。日本人にとってはますます住みやすくなってきているベトナムについて、今回はRGF HR Agent Vietnamの辻さんにお話を伺いました。
●まずベトナムの治安はどうでしょうか。
ベトナムというとタクシーでボッタクリにあうというイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、基本的にタクシー会社を選んで乗れば、大きなトラブルには会いません。もちろん、貧富の差がある国ですから、高価なものを無防備で持ち歩けば狙われます。たとえばiPhoneのひったくりなども発生はしていますが、それはベトナム特有の事情ではありません。特段、他の東南アジアに比べて危険というわけではありません。もちろん深夜に女性ひとりで歩いていたらどこの国でも危ないと思いますので、そこは要注意です。またバイクが多いので、道路の横断時などには注意が必要です。
●日本人の現地採用者はどのような部屋に住んでいますか。
平均すると大体350USD~600USDくらいのお部屋に住んでいることが多いです。600USDですと、中心地でサービスアパートメント形態が多いです。シーツ交換や掃除、洗濯もしてくれます。ただ、洗濯の質があまり良くないので色落ちなどもおきます。大切な服は自分で洗う必要がありますね。部屋はほとんどが家具付きでキッチンもついています。セキュリティもある程度しっかりしておりますので、不自由なく生活ができます。
●ベトナムではどのような食事をしていますか。
朝は人それぞれですが、ランチなどは大体ローカルのベトナム料理を食べるか、日本料理を食べる人が多いと思います。ローカルだと1食150~300円程度。日本食だと500円~ですね。定食とか少し高いものを食べれば1000円くらい行きますので、日本と変らないか、少し高いくらいでしょうか。その他にもイタリアンやフレンチ、中華などもありますので色々楽しめると思います。
ただ、ホーチミンにはあまり日系スーパーがなく、買い物が少し不自由かもしれません。空港そばにイオンがオープンしましたので、その中にはスーパーはありますが、かなり割高です。物によっては2~3倍することもあります。またビールはとっても安いのに、ワインは輸入しているためかなり高いですね。
(屋台やショッピングモールのフードコートが結構充実しています)
●交通状況について教えて下さい。
ベトナムはまだ地下鉄がありませんが、今年清水建設と前田建設がベトナム初の地下鉄工事を受注し、着々と工事が進められています。ただ完成まで時間がかかりますので、現在の移動方法はタクシーかバイクかバスです。タクシーの初乗りは約60円と非常に安いです。ベトナム人の多くはバイクに乗っており、通勤ラッシュ時はものすごい数のバイクになります。
(ベトナム人の移動は基本バイク。通勤ラッシュはバイクだらけ)
ベトナムでの就労状況
●現地での仕事はどのようなものが多いでしょうか?
ベトナムは業界に関わらず日系企業が多数進出しているので、やはり日系企業向けの営業職が約半数を占めます。中国やタイとも似ていますね。製造業も多いため、工場関連の仕事も多いです。あとはオフショア開発も盛んですのでITエンジニアやPMなどの募集も多くあります。もちろん総務や経理、秘書などのアドミ系の募集も定期的にあります。基本的な現地採用のニーズとしては、他のアジア諸国と変わりませんが、IT系企業の求人が多めという印象です。
●日本人の給与はどれくらいでしょうか?
30歳前後の若手を例にすると、未経験で1,500USD前後。経験者であれば1,700USD~2,000USDくらいが一般的な水準です。ITエンジニアやPMクラスになりますと2,000~3,000USDくらい、また、ベトナム拠点責任者やマネージャークラスの場合3,000USDというような高水準の募集もあります。
●どのような人材が求められていますか?
東南アジアで新卒から働ける国といえば、インドやベトナム、タイが上げられましたが、最近ベトナムではビザの基準が厳しくなり、新卒・未経験者の就労許可証取得が難しくなりました。ある程度の社会人経験がある人が対象となります。
また多くの会社で英語が使われますので、最低限の英語が必要です。ただし、日系企業の場合は流暢な英語力が必須条件になることは少なく、英語日常会話レベルまたは社内コミュニケーションレベルでも十分に仕事を探すことができます。また、ほとんどの求人はベトナム語を要求しておりません。
若手ですと営業職が多いので、営業経験がある方が歓迎されます。営業経験をしっかり積まれてきた方は、商社やメーカー、物流業、サービス業などで人気が高いです。また、ITエンジニアやPMとして実績を残されてきた方を求められる企業も多いです。
シニア層でいえば、工場関連の経験やマネジメント経験者は活躍できると思います。例えば生産管理、工場管理、アパレル縫製、成型、金型技術者などです。常に経験者を求めていますので、即戦力としての活躍を期待されています。
辻さんがRGFベトナムで働くことになったキッカケ
今回情報を提供していただいたRGF HR Agent辻さんに、ご自身がベトナムで働くまでの経緯をインタビューしました。
(RGF HR Agentベトナム拠点・拠点長の辻氏)
●辻さんは上海、深センで経験を積まれてからベトナムの拠点長として活躍されていますが、もともと上海で働こうと思ったきっかけは何でしょうか?
学生の頃より海外に人より強い興味がありました。その中で上海を選んだのは、海外の中でも日系企業の進出の多い地域ですので、海外に進出された日系企業の現状を間近で感じるチャンスだと思ったからです。また、弊社は人材紹介業ですので、幅広い業種のお客様と接点を持たせていただけます。この点も大きな魅力でした。
(少し足を伸ばすと大自然が広がっています)
●今後ベトナムの日系企業はどのように成長していくと思いますか?
世間で言われているように、ITのオフショア開発拠点としての注目は継続されるでしょうし、9000万人というベトナム人をターゲットにした小売り、サービス業などの進出も増えていくと予想されます。そういった意味ではどの企業様もビジネスを大きく出来る市場があると言えます。
ベトナムは東南アジアの中ではタイに続いて日系企業投資先として人気があり、中小企業様の進出が増えております。そういった意味では当面、日系企業間のビジネスが大部分を占めるかと思います。ただ、その後更に事業を大きくしていけるかは、日系企業以外のローカル企業や外資系企業、また日本人だけではなくローカル現地人へのビジネスにどれだけシフトしていけるかが鍵だと思います。
●最後に転職を考えている方に一言お願いします。
日系企業の投資・進出が引き続き活発で、ハノイ、ホーチミンには日本人も多く住んでいます。また、ベトナムは東南アジア諸国の中では比較的安全な生活環境があるかと思います。日本語を話す人材はあまり多くなく、多くの日系企業の社内公用語は英語ですので、海外で英語を使用して、業務経験を積みたい方には、もってこいの環境かと思います。
ただ、これはどこの国でも同じですが、日本人だからすぐに活躍できるということはありません。弊社は人材紹介で多くの方をご紹介しておりますが、現地で活躍できる人材は最終的に専門性を高めて常にキャリアップを目指している人材です。ベトナム人ではなく日本人を採用するという理由を理解して、Will、Can、Mustをしっかり明確にできる人材はベトナムでキャリアを作ることができると思います。
RGF Vietnamさんご協力ありがとうございました!
会社名 = RGF HR AGENT VIETNAM CO., LTD.
設立年月日 = 2011-08
所在地 = RM903 Central Plaza 17 Le Duan St., Dist 1 Ho Chi Minh City
電話番号 = (84)8-3911-5800
メール =vietnam-jp@rgf-hragent.asia
WEBサイトURL = http://www.rgf-hragent.asia/
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