タイで働く:福井亜希さん(貿易)~海外アジア就職体験談~


タイで働く!福井亜希さん

福井 亜希さん
1973年4月23日生まれ 大阪府出身
NTL NAIGAI TRANS LINE(THAILAND) CO.,LTD.に2014年9月より勤務
チャレンジしないと、
道は開けないし、可能性は伸びない
生活しやすいタイで、2度目の挑戦
日本でしっかり働いてからでも、一休みした後でも、アジアの国に転職することは不可能ではない。海外で働く人のことを、日本より外国の水が合っている人という人がいるかもしれないが、話から察するに、福井亜希さんはどこでも即戦力になれる、とても頭のいい人という印象だ。経歴も十分な彼女が、タイに2度目の就職を決めたのはなぜだろうか?
■新たな可能性を見て、2度目のタイ就職
「タイは一度働いた経験があるので、実はできればタイ以外の国をと思ってました(笑)」
福井さんは、新卒で入った外資系航空会社でグランドホステスなどを経て、仕事的につながりがあり、長く続けられそうな貿易業界へ転身した。そのために、通関士の資格を取ったという努力家だ。その後にカナダで1年間、仕事をせずに暮らしていたが、そこで出会った人に最初のタイ行きを勧められたという。
「日本では、商社で貿易業務に関わっていて、前回タイに来たときも商社でしたが、考え方や習慣の違いなどで苦労することがあり、それを解決するために、タイ人をきちんと理解する必要がありました。日本では……が通用しないので、柔軟な対応が必要となり大変でしたが、仕事の楽しさを本当の意味で味わえた気がしたんです」
会社が業務を一任してくれたので、そんな貴重な経験ができたと今では思えるが、当時はそのプレッシャーに押しつぶされそうになるほど大変だったという。4年間勤めたあと、帰国した彼女を待っていたのは、予想していたものの厳しい現実だった。
「正社員の道は皆無に等しく、再度海外で仕事を、と考えました。シンガポールは物価が高く、一人暮らしをするのは経済的に難しい。ベトナムは勤務条件とプライベートの生活を考えると、総合的には満たされなさそうな感じがして。そのときにこのお話があったんです」
経験とノウハウを使えて、新たなチャレンジや可能性を見出せる環境だと考え、2度目のタイ就職を決めた。現在は顧客担当として、世界各国向けの船積みの輸出手配などでその手腕を発揮している。
「入社して感じた事は、マーケティング課はとても仲が良く、週末に洋服の色や柄を皆で合わせたりする事があるほどです。また仕事が終わったあとに夕食を一緒に行き、プライベートの時間も共有したりして、タイ通算5年目にしてタイ人との生活を味わっている気がします。この会社においては、初めての現地採用の日本人になりますが、日本人とタイ人の壁みたいなのがなく、私がスムーズに馴染む事が出来たのも、二人の日本人上司が、タイ人と良い関係を築いているおかげだと思っています。」

(タイ人スタッフと食事)
■海外にいるから、時間を有意義に使う意識が目覚める
在住も長くなった彼女が見るタイの暮らしとは?
「日本食に困らないことと、タイ人の穏やかな性格、たとえば職場や打ち合わせ、初対面でもわきあいあいとした雰囲気になるのは素晴らしいですね。それに、タイを拠点にいろいろな国に動きやすいことは満足です。逆に不満な点は、日本では考えられないですが、タクシーの乗車拒否が日常茶飯事なこと。それに、ペットで犬を飼いはじめたのですが、ペット可能物件がとても少ないんです」
タイにいる日本人の同世代の印象を聞いてみた。
「駐在員、現地採用、来たくて来た人も、そうでない人もいるかと思いますが、オンとオフをきちんと分けて、生活を楽しもうとしている方が多い。私も、平日仕事だけで終わりたくないので、終業後にヨガに行ったり、友人と食事したりして、メリハリをつけるようにしています。仕事だけで終わる毎日になりがちですが、海外にいるからこそ時間を有意義に使おうと、アフター5も行動を起こせるのだと思います。日本で働いていたときは、みんな本当に遅くまで仕事をしていたので、もったいないと思いますね」
今の生活に点をつけると「70点」。身近なことに改善点を見つけている。
「住居面は、まだ理想通りではないし、最初はタイ語もまったく話せませんでしたが、住む以上はゼロのままではいられません。その点ではまだ努力が必要ですね。仕事は、タイでの日本人は、やはり現地のタイ人よりお給料を多く頂いているので、それなりの責任ある役割を課せられます。適度なやりがいを感じられるのは心地いいですね」
それを以前のようにプレッシャーと思わないように、意識して努力を続けている。
「辛い面、苦しい局面に当たったときは、ついなぜ? と思いがちですが、チャレンジしないと道は開けないし、可能性は伸びないと思おうと、今も頑張っています。タイでの過去の経験は本当に勉強になりましたし、やり遂げたことで自信へとつながりました。また、チャンスが来たときにつかめる準備も必要だと思います。これからこちらで働こうと考えている方も、外へ動くことで、自分の可能性の一歩を踏み出していただければと思います。視野が変わり、また違った自分に気づけるかもしれません。とくに若い世代の方たちは、もっともっとチャレンジしてほしい」
最後に個人的な夢を聞くと、笑顔がはじけた。
「ずーっと言い続けているんですが、専業主婦になって悠々自適な生活を送りたい! です(笑)。 でも最近は、こんなところに日本人! みたいな感じで、世界のどこかに居たいかもしれません。グランドホステスも希望して就いた職業ですが、貿易業界も本当に楽しいです。色々熟知しつくしたら、エキスパートになって、コンサルタントとかも良いかもしれないですね(笑)」
彼女のように、変化や現実を柔軟に受けいれ、それを基に目標や計画を立てれば、何においても成長があり、得るものがある。海外にいるから、そのスピードやスケールが日本にいるときと異なって見えるのだろう。自分がどこに居るべきかより、何をしたいかにこだわる。その気持ちを強く後押ししてくれるのが、彼女にとっての「海外で働くこと」なのかもしれない。

(週末はヨガや愛犬と楽しむ)
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