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はじめての中国・アジア転職コラム

第8回:保険料が給与の4割?中国保険事情

海外就職ノウハウ 2018-09-27



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2018/09/27

第8回:保険料が給与の4割?中国保険事情


※中国の社会保険制度は頻繁に変更があるため、都度最新の情報をご確認ください。

こんにちは、カモメ編集室です。

中国への転職を検討している方にとって、気になる「社会保険」の有無。 日本でいう医療保険や年金制度は、中国にもあります。
しかし、もし日本人のあなたが上海で働く場合、あらゆる保険が完備された環境で働くことは難しいでしょう。



■強制加入と任意加入の地域がある中国の保険制度

まず、中国の社会保険には「五険一金」と呼ばれるものがあります。

①養老保険:定年退職後の年金支給。
②失業保険:失業期間中の生活費と医療費の支給。
③医療保険:労災や出産を除く、医療費の負担。
④公傷保険:労災に関わる医療費や補償金等の支給。
⑤生育保険:出産に関わる医療費や産休手当等の支給。
+ 住宅公共積立金:住宅ローン。住宅購入やリフォームなどにも使える

これらの「五険一金」の制度は、本来は中国全土において、外国人を含めた中国で働くすべての労働者とその雇用主が加入し、社会保険料を納入する義務があります。
実状としては、中国人については加入は必須。が、日本人(外国籍の方)の加入は就労している都市によって異なります

北京、広州、深セン、青島、蘇州、無錫
→外国籍の社会保険加入は強制
上海、杭州、大連
→外国籍の社会保険加入は任意

なぜ加入が任意の地域があるかというと、企業が保険金として負担するコストが大きくなるのを嫌がっているからだと考えられます

保険料はそれぞれ企業負担分と個人負担分に分かれており、地域によって異なるものの企業負担の5険合計の保険料率は、なんと賃金総額(手取り)の40%程度と言われています。企業にとってはあまりにも大きい負担です。一般的に日本人の給与は中国人よりも高いことが多いので、余計にコストになるのです。

企業が保険に加入させたがらない気持ちも、わからなくもないですよね。上海はもともと日系企業が多かったため、これまでも保険加入制度には慎重だったようです。

現状、五険一金に加入しなくていい地域での勤務では、五険一金をもらうことはほぼ不可能とお考えください。これは仕方がありません。



■日本人は五険一金に入るべきか?
そもそも、日本人にとって五険一金は必要なのでしょうか?
あるに越したことはないですが、加入すればすべて安心というわけでもないと考えます。

たとえば、五険一金の医療保険については保険が適用される病院が限られ、日本語が通じる日系病院では使えないこともあります。生育保険についても、日本に帰国して出産した場合も関連費用は負担してもらえるかは不明だそう。また、失業保険についても、失業すると就労ビザも切れるため、手当をもらいながら現地で就活することは難しいはずです。

五険一金は、中国に永住予定の日本人でないと、必ずしも必要ではない気がします。


■五険一金に加入できない日本人はどうしているのか
では、五険一金に入れない、上海在住の日本人はどうしているかというと、基本的には会社が単独の医療保険加入を負担してくれているケースがほとんどです。現地採用の日本人がよく加入している有名な保険は大体下記のどちらか。

①医療アシスタンスサービス
中国の日系企業に対して、24時間365日対応の医療緊急対応サービスを展開。通訳付きで中国現地の病院を予約し、案内してくれる。現地採用社員はウェルビー、日本エマージェンシーアシスタンス等の利用が多い。

②日本の海外旅行保険
損保ジャパン、AIU、東京海上日動火災保険株式会社などは有名。どちらかというと駐在員が加入していることが多い。

ちなみに、上海現地採用の日本人である筆者も五険一金には加入していませんが、ウェルビーに加入しているため、今のところ生活で大きく困ることはありませんよ!


~まとめ~
五険一金に加入できる地域とできない地域がある!
短期在住の方は、五険一金がなくてもあまり困らないかも。





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2018/09/27



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