はじめての中国・アジア転職コラム
第33回:現地採用やめとけ論は本当か? 海外勤務での駐在と現地採用の違いとは?
海外就職ノウハウ 2024-08-07
こんにちは、カモメ編集室です。
今回は「駐在」と「現地採用」の違いについてお伝えします。
海外勤務時の駐在と現地採用の違いとは?
海外で働く場合、その雇用形態には「駐在」と「現地採用」の2種類があります。ですが、海外転職を目指す方であっても、そのふたつの違いについて理解している方は意外と少ないようです。まず「駐在」とは、日本法人と労働契約を結んだうえで、その企業の海外支店や駐在員事務所に赴任して働くことを指します。
一方「現地採用」とは、海外現地法人と直接雇用契約を結ぶことを指します。原則、現地採用者は、日本法人と雇用契約を結ぶことはありません。
現地採用者は国民年金を自己負担する
駐在員は日本法人と雇用契約を結んでいるため、日本の厚生年金および健康保険、雇用保険は会社側で加入することが一般的です。一方、現地採用は海外現地法人とのみ契約を行うため、原則、会社側で日本の厚生年金や健康保険、雇用保険に加入することはありません。
また、国外転出に伴い「海外転出届」を提出すれば、日本での年金と健康保険の加入義務はなくなります。日本で国民年金の加入を希望する場合は、自ら国民年金に加入する必要があります。
また、国外転出に伴って日本での健康保険の加入をやめた場合は、一時帰国などで日本に戻る際に無保険になることは知っておいた方がよいでしょう。一時帰国時の医療保険については、人によって対応が様々です。最近では、日本人のための「日本で使える海外旅行保険」のようなサービスが登場していますので、一時帰国の際には民間の旅行保険を利用する方も増えてきているようです。
海外赴任手当などはなし。給与は現地通貨が基本
駐在員の場合は、海外赴任手当が支払われるケースが多いようです。しかし、現地採用者の場合「海外赴任手当」や「ハードシップ手当」は原則ありません。駐在員のような給与や待遇をイメージしていると、ギャップを感じてしまうこともあるでしょう。また、現地採用者の給与の支払いは現地通貨が基本です。日本に本社がある場合に、給与の一部を日本の口座に日本円支給するケースもありますが、まれなケースだと言えます。面接の際に確認するとよいでしょう。
住宅提供や住宅手当については、駐在採用の場合は支給されるケースが多いですが、現地採用者ではケースバイケースになるため、こちらについても面接での確認が必要です。
現地採用者は海外勤務の期限がない
現地採用と駐在の待遇を比較すると、現地採用として働くことにデメリットを感じてしまうかもしれません。しかし、現地採用者の最大のメリットは、なんといっても海外の滞在期限がないことにあります。駐在は赴任期間が数年と決まっていることがほとんどで、状況次第ではその任期も短縮されることも珍しくありません。長年、駐在を希望し、念願かなって海外に来たにも関わらず1年もたたずに帰国……というケースもあるのです。
海外で働くこと自体を希望しているのであれば、現地採用として働くことは決して間違った選択ではありません。経験を積んでキャリアアップしていく人、駐在員へ切り替えになる方、日本に戻ってから活躍されている方、様々いらっしゃいます。
明確な目標を持ち、得たい経験やスキルが明確であるのなら、きっとキャリアを拓くきっかけになるはずです。
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