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はじめての中国・アジア転職コラム

第25回:海外移住者は国民年金を払う、払わない?

海外就職ノウハウ 2022-12-02





現地採用者は海外転出する前に確認しよう!


こんにちは、カモメ編集室です。
海外移住をする方、なかでも現地採用者は「日本の国民年金を支払うかどうか」について迷うようです。
事実、現地採用者のなかには年金を支払っている人もいれば、支払っていない人もいて、それぞれのライフプランに沿ってその選択をしています。今回は、年金を支払うメリット・デメリットについてご紹介したいと思います!

※この記事は令和4年度の情報をもとに記載しています。最新の保険料は各機関の最新情報をご確認ください。


海外移住者は、国民年金の加入が任意!

 日本の会社を退職すると「厚生年金」から「国民年金」に切り替える必要があります。また、日本で「海外転出届」を出せば、国民年金の支払い義務がなくなります。希望者のみ、任意で加入することができます。手続きは、お住まいの市区町村役所にある「国民年金担当窓口」で行います。

また、国民年金の月々の支払額は、16,590円(※令和4年度時点)です。ただし、2年分まとめて支払った場合は15,790円(※令和4年度時点)の割引を受けることができます。

タイの現地採用者の手当・福利厚生


年金を支払うメリットは3つ

海外移住をしても、日本で年金を支払い続けるメリットはおもに3つ。「老齢基礎年金の受給額を減らさないこと」、「遺族年金がもらえること」、「障害基礎年金がもらえること」です。それでは、詳しくみてみましょう。

(1)老齢基礎年金の受給額を減らさない

老齢基礎年金は、「保険料納付済期間」と「保険料免除期間」などを合算した受給資格期間が10年以上ある場合に、65歳から受け取ることができます。
また、20~60歳になるまでの40年間の納付月数によって、受給額が異なります。年金の未納付月が多いと、老齢基礎年金の受給額が減ったり、受給要件を満たさないこともあるのです。

(2)遺族年金が支払われる

年金を支払っていれば、海外在住期間中に死亡した場合、配偶者と子ども(18歳になった年度の3月31日まで)に遺族年金が支払われます。

タイの現地採用者の手当・福利厚生

(3)障害基礎年金を受給できる。

年金を支払っていれば、海外在住期間中に病気やけがをして障害が残ったら、等級と子ども(18歳になった年度の3月31日まで)の人数に応じて障害基礎年金がもらえます。

タイの現地採用者の手当・福利厚生

年金を支払い続けることへのハードル

なにより、日本の口座で毎月16,590円の保険料の支払い続けることが大変です。現地採用者の場合、現地通貨で給与が支払われることがほとんどのため、日本円をあまり使いたくないという人がほとんどなのです。
もちろん、日本へ送金することも可能ですが、手数料がかかることや国によっては送金手続きが複雑だったりと、ハードルが高いです。
渡航前にあらかじめ2年分納付することが、手続き上はいちばん煩わしさが少ないようです。

現地採用者のなかにも移住先の年金を払う方もいれば、そうでない方もいます。海外滞在期間やライフプランを考慮して、年金を支払うかどうかを選んだ方が良さそうですね。


<参考>
・日本年金機構【日本国外・国内へ出入国する方へ 国民年金の手続きが必要です!!】
https://www.nenkin.go.jp/service/pamphlet/seido-shikumi.html

・日本年金機構【老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額】
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/jukyu-yoken/20150401-02.html

・日本年金機構【遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)】
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/izokunenkin/jukyu-yoken/20150401-04.html

・日本年金機構【障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額】
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/jukyu-yoken/20150514.html

・日本年金機構【国民年金保険料の「2年前納」制度】
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/20150313-03.html


2022/12/02




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