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第5回:上海隔離レポート!はじめての中国で14日間のホテル生活
海外就職ノウハウ 2021-07-13
■2021/07/13
第5回:上海隔離レポート!はじめての中国で14日間のホテル生活
こんにちは、カモメ編集室です。
今回は、上海隔離レポート!筆者は2021年5月9日に日本から中国へ初渡航しました。当時の隔離期間は14日間。なお、2021年5月16日より、14日間の隔離観察+7日間の在宅健康観察へ変更されています。中国渡航前には、必ず最新情報をチェックするようお気をつけください!
日本のビジネスホテルよりは広いスタンダードルーム。ただし設備や部屋は古い
隔離ホテルの選択権はなし!ホテルの良し悪しは運次第
渡航者に隔離ホテルの選択権はありません。中国の目的地ごとにホテルが振り分けられ、空港スタッフに言われるがまま上海浦東国際空港からバスに乗り込みました。深夜3時前、たどり着いたのは上海市徐汇区にあるシティホテル。隔離ホテルはアタリ・ハズレがあり、窓がなかったり部屋が狭かったりすることもあるそうです。それなりに覚悟して来ましたが、割り当てられたホテルは、古いもののスペースがゆったりしていて、窓も大きく、良い感じ!
ユニットバスには備え付けの洗濯紐があった
毎日2回の検温。トイレの使用方法は注意あり
チェックイン時に渡されたのは、隔離の注意書き(英語&中国語)と水銀体温計、アルコール綿、トイレ消毒タブレット、バケツ、カップラーメンひとつ(その日の夕食代わり)。部屋にはミネラルウォーターが準備されていました。この水銀体温計を用いて朝8時と昼13時に体温測定をし、トイレを使用したら消毒タブレットを入れてしばらく置き、バケツに水を入れて流します。ちょっと面倒ですが、感染対策なら仕方ありません。
小ならバケツの6の位置、大なら12の位置まで水を入れて流す。消毒タブレットはなくなったら追加でもらえる
体温測定後には、メディカルスタッフが部屋を訪れて結果を確認することになっていました。また、非接触体温計を用いて体温を再測定されます。ただ、スタッフが指定時間よりも1時間ほど早く来たり、遅く来たり、来なかったり……。
隔離中は3食付き。ただし提供がない場合も!
隔離前にもっとも心配していたのは食事について。割り当てられたホテルは3食付き(その代わり食事のデリバリーは不可。保存できるお菓子などは可能)。8時30分、12時、18時に提供されました。洋風と中華風のどちらかを選ぶことも可能で、1週目は西洋風、2週目は中華風を選びました。中華風のほうが美味しかったです。画像は中華風の朝・昼・夕食(左から)。
朝は炭水化物多め、昼は毎日バナナかリンゴがついてくる
ただし、隔離ホテルによっては食事提供がなかったり、朝食のみだったりすることもあるそうです。その場合、出前アプリ「外买(ワイマイ)」などを用いて、食事を隔離者自身で調達する必要があります。しかし、ワイマイを用いるには、「Alipay(アリペイ)」や「Wechatペイ」など、中国の電子決済アプリと紐づけないといけません。そうなってくると、中国初入国者にとってはハードルが高く(というより使えない?)、協力者が必要です。会社のスタッフや中国にいる知人に代わりに購入してもらうケースが多いようです。
大量の日本食を持参。栄養補助食品などもおすすめ
食事が口に合わなかったときに備えて、大量の食品を持ち込んでいました(画像は持ち込んだ3分の1程度)。あと、心配しすぎかもしれませんが、栄養不足にならないよう、乾燥野菜やプロテインバー、サプリメントも持参。食事は日本人でも比較的食べやすい味付けでしたが、それでも和食に比べると油分が多く、隔離後半に胃痛に悩まされることに。サプリと栄養補助食品、持ち込んだお茶漬けなどでなんとか乗り切りました……。
スープなどのレトルト食品は、お湯を注いだ大き目のお茶碗に入れて温めた
食器類や掃除用具、洗濯用具などは持参して
隔離ホテルがハズレだった場合に備えて、ドライヤー、トラベルケトルなども持ち込みましたが、ホテルに常備されていました。持ち物でもってきてよかったと思ったのは、食器類と食器用洗剤、スポンジ、洗濯物グッズ、ダニ対策グッズ、ヨガマット、掃除グッズ、S字フックです。隔離期間中は、洗濯サービスや部屋の掃除、シーツ交換はありません。気になる方は、それを考慮して準備したほうがよさそう。
持ち込んだケトルやドライヤーは海外電圧も可能なもの
洗濯物は手洗いし、浴室と窓際に干しました。洗濯ロープや洗濯パック(プラスチック袋の中に衣類を入れて洗える)を使用する方も多いそうですが、筆者の場合は不要でした。乾きにくいせいか服が臭くなりましたが、ホテルスタッフはマスクをしているのでたぶん匂いはバレません。
ここでS字フックが活躍。ハンガーは多めに持ってくるのがおすすめ
水とトイレットペーパーは自己調達!
日中はリモートワークをして、夜は動画サイトを見たり家族友達とオンライン通話を楽しんだり、隔離生活はまずまず快適……。だったはずが、5日目に大ピンチ!水とトイレットペーパーは追加してくれるものと思っていたら、自己調達だったのです。「そんなの聞いてないよ……」と思ったら、さいしょに渡された隔離注意書きにしっかり記載されていました。会社の同僚にSOSを伝えると、すぐにネットで注文してくれて、数時間後には部屋の前に物資が到着。多くの人は注意書きをキチンと読むと思いますが、ずぼらな人もしっかり確認してください……。
本来はフロントに午前中に到着すれば、最短でその日の午後6時に部屋に届けられる規定。すぐに届いたのは、おそらくホテルスタッフの配慮によるもの……
隔離終了2日前にPCR検査を実施
2021年5月9日の入国当時、中国でのPCR検査は入国時と隔離終了前の2回のみ(2021年5月16日より、隔離期間14日間と在宅健康観察7日間で、合計6回の核酸検査を実施することになっています)。
ホテルの自室にメディカルスタッフがやってきて、検査を行いました。翌日、ホテル内線で「明日の午前6時に隔離終了、6時半までにチェックアウトしてください(英語)」と隔離終了の連絡が入りました。ちなみに、当時の隔離期間は丸14日間のはずですが、筆者は正確には13日と8時間程度。同じ航空便に乗っていたもうひとりのカモメスタッフは、1日長く別のホテルに滞在していました。隔離期間については、各ホテルの裁量があるようです。
隔離費用の支払いはクレジットカード、現金、アリペイで。代理決済も可。
14日間の隔離でかかった費用は、1日500元*14日間=7000元。隔離費用は、割り当てられたホテルによって差があります。1日400元代~500元代が一般的なようです。クレジットカード、現金、アリペイ等の中国電子決済での支払いが可能でした。また、ホテルフロントに「会社が代理で払ってもいい?」と聞いたところ、代理もOKでした。
Health Code Traveler Versionの使用機会はなし。 隔離証明書は携帯して
中国には「健康コード」というものが存在し、トラベラー(中国の住所、電話番号、銀行口座を持っていない人)向けに「Health Code Traveler Version」というものもあります。隔離終了前には、このQRコードをあらかじめ申請しておくことをおすすめします。ただし、このコードがなくても、隔離ホテルから渡された「隔離終了証明書」の提示でOKなことも多かったです。筆者の場合、隔離終了後に別のホテルに移動したのですが、先に書いたようにフライングで隔離が終了したため、その時点ではHealth Code Traveler Versionは赤色(入国から14日以内です、の表示も)……。そのため、次のホテルのチェックイン時には、健康コードは提示せず、隔離終了証明書で代用しました。
【Health Code Traveler Versionの申請先】
※中国語または英語で申請が可能
http://health.customsapp.com/home/pages/index/
隔離後の移動方法も検討して
隔離終了後の移動方法についても要注意!多くの方はお迎えが来るか、タクシーでの移動を検討されると思います。タクシーを呼ぶ場合、中国では、たいてい「DiDi」というアプリを用います。逆に、道を走るタクシーを捕まえるのは難易度が高いです。それを知らず、チェックアウト時にホテルスタッフに「タクシーを呼んでください」と伝えたところ、「自分で呼ぶように」と断られてしまいました。あらかじめこのアプリをダウンロードしておいて、クレジットカードを登録しておいたほうが安心かと思います。
外に出ると、隔離を終えた人たちがホテルの前で迎えを待っていました。
どんなに環境が良くても14日間も外に出られないのは、やはり窮屈さがあります。隔離を終えて外に出たときには、中国に来た実感がやっと湧いてきました。人によっては隔離生活がまったく平気な方もいるようですが、筆者としては一度経験すれば十分かな……という感じ。
隔離ホテルのアタリ・ハズレは、地域差はあるものの運次第。良い環境であることを祈りつつ、ハズレを引いたときのために準備はぬかりなく。万全を期して中国渡航に挑んでください!